ピロリ菌の除菌方法
ピロリ菌は除菌治療を行わない限り、自然に除菌されることはないため、適切な治療が必要になります。
ピロリ菌(Helicobacter pylori)の除菌方法は、特定の抗生物質と胃酸抑制薬の組み合わせが使用されます。
以下に一般的な除菌方法を示します。
1次除菌と2次除菌
1次除菌(First-Line Eradication)(First-Line Eradication)
1次除菌治療は、初めに選択されるピロリ菌感染の治療法です。
通常、以下の3つの薬物を組み合わせて使用します。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)
胃の酸分泌を抑制し、抗生物質が効果的にピロリ菌に作用する環境を提供します。
当院ではより除菌成功率の高い、ボノプラザン(タケキャブ®)を用いています。
クラリスロマイシン
ピロリ菌に対する抗生物質の一つで、ピロリ菌の増殖を抑制または殺す働きがあります。
アモキシシリンまたは
メトロニダゾール
クラリスロマイシンとは別の抗生物質で、ピロリ菌に対する効果があります。
1次除菌治療は通常1〜2週間継続し、その成功確率は一般的に約70%から90%の範囲内とされています。治療の成功を確認するために、除菌後のフォローアップ検査が行われます。
2次除菌(Second-Line Eradication)(Second-Line Eradication)
2次除菌治療は、1次治療が効果的でなかった場合や再発した場合に行われる治療段階です。
2次治療には通常、異なる抗生物質の組み合わせが使用されます。一般的に、以下の組み合わせが考えられます。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)
1次治療と同様に、PPIが含まれます。
当院では1次除菌同様に、ボノプラザン(タケキャブ®)を使用しています。
レボフロキサシン(Levofloxacin)
1次除菌とは別の抗生物質で、ピロリ菌に対する効果があります。
アモキシシリンまたは
メトロニダゾール
1次治療と同じ抗生物質の中から、異なる抗生物質が組み合わせに含まれることがあります。
2次除菌治療も1週間から2週間程度行われ、その成功確率は約60%から85%の範囲内とされており、1次除菌・2次除菌を併せた成功確率は95%程度と考えられています。
成功を確認するためのフォローアップ検査が重要です。
除菌時における注意点
ピロリ菌の除菌治療を行う際には、いくつかの注意点があります。
以下に、除菌治療を行う際の一般的な注意点を示します。
①医師の指示に正確に従う
除菌治療は医師の指導のもとで行うべきです。医師が適切な治療プランを提案し、処方薬を指定します。
処方薬の服用方法や治療期間について医師の指示に従いましょう。
➁服薬の遵守
抗生物質は感染の除去に不可欠です。指定された抗生物質を正確に服用し、治療期間中に服薬を欠かさないようにしましょう。
抗生物質の過度の使用や不適切な使用は薬剤耐性の発展を促進する可能性があるため、処方通りに服用することが重要です。
また、除菌治療中、プロトンポンプ阻害薬(PPI)などの胃酸抑制薬を処方されることがあります。
これらの薬物は胃の酸分泌を抑制し、抗生物質の効果を高める役割があります。必ず処方通りに服用しましょう。
また、服薬中は禁煙、禁酒をお願いしています。
特に2次除菌治療中の飲酒は、頭痛や吐き気を伴うことがあり注意が必要です。
③フォローアップ検査
除菌治療の成功を確認するために、治療後のフォローアップ検査を受けることが重要です。
感染が除去されたことを確認することで、再感染や治療失敗を防ぐことができます。
④食事とライフスタイル
除菌治療中、刺激物やアルコール、タバコを控え、感染症を助長する食品や飲料を制限することが良い影響を与えることがあります。
医師のアドバイスに従って、食事とライフスタイルを調整しましょう。
⑤副作用やアレルギー反応
除菌治療中に副作用やアレルギー反応が発生する可能性があるため、不調や異常を医師に報告しましょう。
医師は適切な措置をとり、必要に応じて治療プランを調整します。
⑥感染拡大を防ぐ
除菌治療中、感染拡大を防ぐために家族やパートナーとの衛生状態に気を付けましょう。
共有の食事用具を避け、手洗いなどの衛生習慣を実践しましょう。
感染が進行するにつれて、上記のリスクと合併症の発生リスクが高まります。
ピロリ菌感染が疑われる場合、医師に相談し、適切な検査と治療を受けることが重要です。
ピロリ菌感染を適切に管理することで、関連するリスクと合併症の発生を軽減できる可能性があります。
当院は、消化器診療・内視鏡検査に注力しているクリニックとして、患者様に苦痛の少ない内視鏡検査をお届けできるよう、日々研鑽を積んでいます。
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