当院のピロリ菌検査
当院では、消化器専門クリニックとして、以下の2つのピロリ菌検査機器を導入しております。
ピロリ菌感染診断、ピロリ菌除菌後判定ともに、当日に結果をお伝えすることで皆様の通院負担の軽減に努めています。
ピロリ菌PCR検査
ピロリ菌 全自動遺伝子解析装置 Smart Gene®
- 胃の内視鏡廃液を利用した、高感度PCR診断法
- 胃液を用いて測定、胃組織の損傷がなく安全性が高い
- 感染診断とクラリスロマイシン(CAM)感受性の判定が可能
- 測定から約50分で結果判定(当日結果をお伝え、通院負担が軽減)
2022年11月よりピロリ菌に対するPCR検査が保険適応となりました。
当院では、その検査機器であるスマートジーンを導入いたしました。
胃液を採取しPCR法にてピロリ菌感染の有無を判定します。胃組織を採取する方法と比較し、組織を損傷することなく安全性が高いと考えられます。
既存の検査法との一致率は、尿素呼気試験に対して93.6%、便中抗原検査に対して93.2%と検査精度も高くあります。
ピロリ菌検査法には複数の診断法を組み合わせることが推奨されていますが、核酸増幅法が陰性の場合は、胃カメラ検査所見によってピロリ菌感染が疑われる場合には他の検査を追加実施することが可能です。
また、ピロリ菌除菌治療失敗の最大の要因と考えられている、クラリスマイシンに対する感受性の有無(抗菌薬に耐性がないか)を同時に調べることができ、無駄な内服治療や副作用の回避、医療費の削減、新たな耐性菌の広がりを防ぐことができるといったメリットがあるといえるでしょう。
胃カメラ検査の際に、ピロリ菌感染が疑わしければ胃液を採取し、50分で判定可能、当日に結果をお伝えします。除菌治療後の判定には使用できないため、除菌後判定は下記に示した尿素呼気試験を行い、これも当日に結果をお伝えすることができます。
尿素呼気試験法
赤外分光分析装置 POConePlus®
尿素呼気試験法は尿素製剤である試験薬を服用して頂き、服用前と服用後の呼気を見比べる検査法です。ピロリ菌に感染すると、ピロリ菌は自身の生息のために自身が持つウレアーゼという酵素により尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解します。二酸化炭素は呼気として出てくるので、二酸化炭素の量を調べることで感染の有無を調べる事ができます。
この検査は患者様の身体への負担がなく、検査も30分で終わり、精度も高い検査となっています。また、除菌治療後も判定を行うことが可能です。
当院では、尿素呼気試験法機器である、赤外分光分析装置 POConePlus®を導入しており、当日に結果をお伝えし通院負担の軽減に努めております。
注意事項
- ピロリ菌検査は医療機関で処方される胃薬によっては正確な判定ができないことがあります。
- 他医療機関で胃薬の処方を受けた方は、診察時またはお電話にてご確認ください。
- 正確な診断結果を得るため、検査前6時間前には食事を、1時間前には飲水を控えて頂く必要があります。
ピロリ菌検査の保険適応
保険診療でピロリ菌検査を受けていただくには、下記の方に限られます。
- 胃カメラ検査で胃炎を指摘された
- 胃MALTリンパ腫のかた
- 特発性血小板減少性紫斑病のかた
- 早期胃がんに対する内視鏡的治療後のかた
- MALTリンパ腫
- 胃カメラ検査または造影検査で胃潰瘍または十二指腸潰瘍
と診断された
ピロリ菌を指摘された方は一度胃カメラ検査を
ピロリ菌感染は胃に持続的な炎症を引き起こし、胃がんや胃潰瘍・十二指腸潰瘍、その他様々な疾患との関連性が指摘されています。
胃痛や胃部不快感などの症状のあるかた、健診などでピロリ菌の指摘を受けた方は一度胃カメラ検査を受けていただくことをおすすめします。